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渋谷屋根裏からライブハウス経営・サービスについて思う事

もうすっかり暖かくなって都内でも桜が満開に近い形で咲き始めました。
夏か冬かでいうと冬が好きなんですが、それ以上に好きなのは季節の変わり目を感じる瞬間が一番好きです。
昨日は春分の日ということで、部屋の片付けをしたり、お昼はランニングで中野を走ってきたんですが、桜が綺麗で走っててとても気持ちのいい風が吹いていました。
走り終わった後は結構な風がふいて「気もちのいい」どころではなかったと思いますが、ちょうどいい時に走りました。
心配なのは花見を4月上旬に行う予定ですがその頃には散ってそうだということです。自分たちの花見の時には桜は見えないかもしれませんが、「花より団子」ってことで久しぶりに会う仲間とやんややんやと気持ちのいいお酒でも飲みたいと思います。

3月というと大学生が卒業をし、会社に何人か入社してくる時期でもあるので研修の準備でいろいろ忙しくなるときでもあります。卒業、入社以外にも新しく始まるものがあったり終わってしまうものがあったりするのがこの時期。
そんななかで一つ気になった記事があったのでここでピックアップしたいと思います。

NEWS

渋谷屋根裏が経営悪化で営業終了、存続のため協力者募集< 参照元:ナタリー>

私は出演したこと一度もなかったですが、渋谷屋根裏が経営悪化で営業終了、というニュースが飛び込んできました。

渋谷屋根裏の出演者・お客様・関係者様各位へお知らせ日頃からご愛顧頂き誠にありがとうございます。1997年9月より15年に渡り営業してまいりましたライブハウス渋谷屋根裏ですが、経営状況の悪化により当営業地での運営が困難となりました。
今後このライブハウスが取り壊されるか、または何らかの形で残るかはまだ、次にこの場所を使われる方や、もしくは自分達にまだ何か手を尽くすことができるかにより変わりますが、現在の状況では2013年6月1日の公演を持って渋谷屋根裏としてのイベントを終了せざるを得ない状態です。
私共スタッフとしましては可能であれば渋谷屋根裏を渋谷屋根裏として存続させたい一心ですので可能性のある限り御協力頂ける方を探しております。御力添え頂ける方は御一報頂けると幸いです。
渋谷屋根裏一同

渋谷屋根裏に限らずですが、ライブハウス経営が苦しいのは数年前からあちこちで聞いていました。

なので驚くというより「やはりそうなったか」と思うのが正直なところ。昔からあった歴史あるライブハウスなだけに寂しい気持ちはありますし、惜しい気持ちもありますが「しょうがないかな」と思う自分もいます。
それは渋谷屋根裏が悪いとか経営がずさんだったとか言うのではありません。出演した事がないし、どういう経営をしてたのかとかという話は一切聞いていません。
屋根裏がどうというよりも、ただ単純に都内にライブハウスが増えすぎてるな、という印象は自分がバンドをやり始めたときから思っていました。
そしてそれがいつしかライブハウス側でお互いが首を絞めることになるということも分かっていました。

そもそもなぜこんなにもライブハウスが増えすぎたのか。それはノルマ制という悪しき制度が日本のライブハウスに根付いてしまったから、と考えます。
ノルマというのはライブハウス側からするととても素晴らしいシステムになっていて、出演するバンドさえいればどれだけお客さんが来なくても赤字になることはありません。出演するバンドにノルマという出演料を貰えば最低限の売り上げはたつからです。あとはお客さんが来ることによってドリンク代で稼ぎ、お客さんが多ければ基本的に50%はお店のプラスαの売り上げになります。
その赤字にならない経営は飲食店からすると(ライブハウスは基本的に飲食店として営業許可されています)とても魅力的な事です。もちろん立ち上げ時に音響から防音設備などお金はもの凄くかかりますが、それが出来れば運営していくうえで売上はとてもたちやすい。ライブハウス側が経営努力をしてこなかった、とは言いません。バンドを集めること(ブッキングすること)はとても骨の折れることだとも思います。
ライブハウス側の「客はバンド側が集めるものだろう。お客も呼べねぇバンドが悪い。」と言ってしまうのは簡単な事。それはもちろんです。お客さんを呼ぶのはバンド側の責任でもあります。ただ自分たちが満足する曲を作ってそれをライブハウスで演奏していればいい、とは思いません。バンド側にも営業する事は必須です。しかし、ライブハウス側はブッキング以上に経営努力やサービス向上をしてきたのでしょうか。

自分がバンドをやっていた時、新宿のMARZというライブハウスには本当にお世話になりました。今はその制度はなくなってしまいましたが、デモテープ審査をパスし、昼の部のオーディションを受け、合格してやっと平日の夜に出演する事が出来た時、本当に嬉しかったのを今でも覚えています。
合格したときは嬉しくて勝手に舞い上がり、そのバンドでたった数回しかライブをした事がなかったのに「全国ツアーってやってみたいよね。よし、やろう」と自分達だけで勝手に盛り上がり、「でもどうやったら全国ツアーってやるんだろう」ということで先輩バンドマンに電話して話を聞きました。するとライブハウスに紹介状を書いてもらってそれを回りたいライブハウスに郵送で送り、電話しブッキングするんだ、という話を聞きました。それでたった一回、しかも昼のオーディションを合格し、まだ夜の部に出演してもいないのにそのMARZに行き、「全国ツアーやりたいので紹介状を書いて下さい」と言いにいきました。今考えたら「よくそんな事が言えたな」と感心してしまうぐらいの行動力です。そのライブハウスで当時ブッキングをやっていたジュリさんという人はそんな私たちを「こいつら面白ぇな!」ととても気に入ってくれて紹介状を書いてくれただけではなく、ツアーをやる目的の為にシングルCDを作った方がいいからとレコーディングの手配からプロモーション、そしてバンド練習にまで顔を出して、まるでマネージャーのように何も知らない私たちにいろいろアドバイスをし、手伝ってくれました。
ジュリさんには本当に感謝の念でいっぱいで今でも頭が上がりません。今そのジュリさんは田辺エージェンシーでRIP SLYMEのマネージャーをやっています。ブッキングよりバンドのマネージャーの方があってたんでしょうね。たまに連絡をくれますが、相変わらず能天気で楽しくやっているみたいです。

話が反れました。そんなジュリさんのような人は滅多にいないだろうし、ライブハウス側にそこまで求めようとは当然思っていません。親身になってアドバイスをしてくれて成長させてくれた轟音共鳴のKOUMEIさんのような方もいてお世話になった人も沢山います。

しかし、どうみても穴埋めだろうとしか考えられないようなブッキングを組まれたり、最初から明らかに機嫌が悪くて質問した事に対してどのバンドにも嫌そうに返答をするPAの人や、バンドマンの前でスタッフ同士でその日出演している他のバンドのお客さんの悪口を言ったり、来てくれたお客さんに対して明らかに不機嫌そうな対応をする受付のスタッフ。そんな人達に

客商売舐めてるだろ!!!

と声を大にして言いたい。

自分たちの給料はどこから出ているのか。出演する側のノルマだったりお客さんが買うチケットやドリンクからではないのか。
同じ事をホテルマンやディズニーランドのキャストがやればお客さんは来なくなり、赤字経営から倒産する事は目に見えています。しかしライブハウス側はバンドさえ呼べればどんなに雑に扱おうが、お客さんに不愉快な思いをさせようがノルマ制である限り特に痛手をおうことはありません。

「あのライブハウスのスタッフ対応が悪いから嫌なんだよね」とお客さんが思っていても見たいバンドがそのライブハウスに出演するならば、嫌なのはそのライブハウスのスタッフだからと、ちょっと我慢してでも見に行くんです。嫌な思いをするのは分かっているのに。そんな声を何度か聞いた事があります。もちろんこちらも店長さんだったりブッキングを組んでくれる人にその事を言いますが、直らない場合が多いし言ったあと、またそのライブハウスに出演した時に「あぁ、前回文句を言ってきた人だ」と明らかに嫌な顔をされます。
正直気分が悪いです。どうして安くもないノルマを払ってそんなところで嫌な思いをせにゃならんのだ、と。
小さなライブハウスで1,500円×15~20枚ぐらいのノルマで22,500~30,000円。これを月に3回、4回とライブをするとなると簡単に月10万円近くかかります。これをバンドメンバーで割り勘で支払うんです。バイトばかりしているバンドマンからすると結構な金額です。それだけのお金を払ってそんな事で嫌な思いをしたくはありません。

この先、渋谷屋根裏に限らず都内の多くのライブハウスが経営が難しくなり、店を閉じるところも多くなるでしょう。しかし今からでも遅くはないので、ライブハウス側には今一度経営について、サービスについて見つめ直してほしい。そして経営努力をし、スタッフ教育を行いサービス向上をしてほしい。

バンドマンも人間です。お世話になった人や、恩のあるライブハウスには義理や恩を返したい一心でお金が厳しくても出演しようと思います。バンドマンはライブハウスに育てられてきたのでどれだけ売れてもその恩は返したいのです。だからライブハウス側もサービス業として、またバンドを育てると思ってそれだけの経営努力とサービスの向上に努めてもらいたい。決してブッキングを埋める為の駒としか見ないような事はしないでほしい。

これからの日本の音楽シーンを育てていくバンドマン達の為にも今一度、ライブハウス側には見つめ直してほしい、と心から思います。

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渋谷屋根裏からライブハウス経営・サービスについて思う事」への1件のフィードバック

  1. 牧瀬菊千代

    六本木.ライブスペース虎寅虎でオーナーをやっています。
    うちはノルマとらずに営業していますし、年間フリーパスも出して、バンドマンが新しいお客さんを獲得できるように営業しておりますが、だからと言ってお客さんが増えることはありませんね。
    結局、発信する側がノルマを払う安心感で自分たちを観て欲しいと言うエネルギーを使ってないと思います。
    また、うちのようにノルマがない箱なら、なおのことお客さん呼びません。ノルマを払うところに集客した方が自分たちの腹は痛みませんから。都内にもノルマをとらないライブハウスはたくさんありますので、ノルマとるならサービスしろという論点が問題なのではない。

    そもそも、月に4本も5本も同じような場所で同じようなテンションでやるライブに自分なら行くか?ということをバンドマンはもっとよく考えないとダメですよね。
    たくさんライブをやることでお客さんが増えて行くと思っているかも知れませんが、ノルマを払って出演していることで集客努力を怠るバンドが集まってるだけです。
    この間、7バンド組まれた平日ブッキングライブに行きましたがお客さんは5人でした。

    お友達しか観にこないライブなら、3ヶ月に一回ぐらいで充分じゃないでしょうか?
    そもそもノルマ払って出る価値のあるブッキングライブ月に何本ありますかね?
    お客さんが自分たちのライブを観にくる価値に比例してると思いますので一度数えてみればいいと思いますよ。

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